GTM戦略 テンプレート:VC投資メモ用の一枚構成
要約
この GTM戦略 テンプレート は、創業者のデッキを書く人ではなく、読む人のために作られています。七つの行で構成されます。購入者ときっかけ、販売の型、チャネルの根拠、価格とサイクル、ユニットエコノミクス、競合、今後12か月です。各行に「報告値」「顧客ヒアリングで確認」「データで確認」のいずれかの印を付け、最後に「妥当」「脆弱」「未検証」の三語で判定します。ICメモの一ページに収まり、一件あたり約25分です。
ほとんどの GTM戦略 テンプレート は創業者向けに作られています。このページは、創業者のデッキを読む側、つまり投資判断を担うアナリストのために書きました。以下では、IC(投資委員会)メモにそのまま貼り付けられる一枚のGTMセクションと、各行を埋めるための質問、そして手を止めて確認すべき数字を示します。一件あたり約25分です。習慣になれば、さらに短くできます。
なぜ投資家に GTM戦略 テンプレート が必要なのか
創業者のテンプレートは「何をするか」に答えます。アナリストのテンプレートは「何が真実である必要があり、それをどう確かめるか」に答えます。この二つは別の文書です。
四半期に届く180件のピッチデッキを想像してください。そのほとんどにGTMのスライドがあります。しかし多くは販売チャネルの一覧にすぎず、どのチャネルが機能しているかは何も教えてくれません。
IC メモがこのセクションに求めるのは一つだけです。立場を示すことです。GTMは妥当か、脆弱か、未検証か。以下の内容は、その三つのどれかに根拠を添えて到達するためのものです。

一枚のGTMセクションを構成する7行
セクションは必ず一ページに収めてください。それより長くなるなら、アナリストは判断ではなく資料の要約をしています。以下の七行を、この順番で書きます。
購入者ときっかけ。 誰が契約に署名し、誰が使い、どの出来事が今の購入を促すのか。「中堅企業の財務チーム」は購入者ではありません。「監査で指摘を受けた後の、従業員50〜200名企業の経理責任者」なら購入者です。
販売の型(モーション)。 セルフサーブ、インサイドセールス、フィールドセールス、パートナー経由、またはその組み合わせ。主となる型を一つだけ挙げてください。
チャネルの根拠。 直近の10社の顧客を生んだチャネルと、その件数。創業者が好むチャネルではありません。
価格と営業サイクル。 平均契約額と、最初の打ち合わせから署名までの日数。すべての数字に「報告値」か「検証済み」の印を付けてください。
これまでのユニットエコノミクス。 CAC回収期間(月数)と、その算出方法。ブレンド値と有償チャネルのみの値では大きく異なります。
競合と代替手段。 既存のツールと、それが置き換えているスプレッドシート。実際の競合は、たいていそのスプレッドシートです。
今後12か月。 このラウンドの資金が支える二、三の賭けと、それぞれが成功したことを示す指標。
埋められない項目は、推測で埋めずに「不明」と書いてください。滑らかな段落よりも、正直な空欄のほうがパートナーにとって役立ちます。
各行で確認すべきこと
テンプレートの質は、その背後にある質問の質で決まります。以下は、実際の計画とスライド上の計画を見分けるのに役立つ質問です。
購入者の行では、名前の挙がる顧客三社と、それぞれが購入を決めた週に何をしていたかを尋ねてください。創業者がきっかけとなる出来事を答えられない場合、その需要は引き出されたものではなく押し込まれたものである可能性が高いです。
チャネルの根拠では、成約したすべての案件について、CRMからエクスポートした流入元のフィールドを求めてください。創業者にとっては10分の作業です。二週間かかるなら、それ自体がデータの問題として記録すべきです。
価格とサイクルでは、直近6か月で最も短い案件と最も長い案件を尋ねてください。平均値は実態を隠します。14日で決まる案件と140日かかる案件は、同じパイプラインを共有していても、別の事業です。
ユニットエコノミクスでは、営業担当者の人件費をどう配分しているかを尋ねてください。創業者の時間をCACから除外すると、回収期間が大幅に良く見えてしまいます。私たちの見積もりでは、プレシードでの歪みは1〜3か月程度ですが、これはベンチマークではなく目安として扱ってください。
テンプレートが崩れるポイント:プレシードとシリーズA
同じ七行でも、ステージによって重みが変わります。プレシードではチャネルの根拠がほとんどないため、メモは購入者の行と創業者の学習速度を重視すべきです。シリーズAでは、すでに機能しているものを繰り返す計画になるため、チャネルとユニットエコノミクスの行が支配的になります。
MicroVentures も同様の指摘をしています。投資家はまず計画を理解し、次にその実行を検証し、最後に計画の修正を評価する、という内容です。私たちはルールを一つ加えます。プレシードでは、計画ではなく実験の質を評価してください。

直近90日間に創業者が何を試し、何をやめ、なぜやめたのかを尋ねてください。明確な理由を持って二つのチャネルを停止したチームは、リードが三件あるチャネルを守り続けるチームより有望な賭けです。
主張を検証する:顧客ヒアリングと自分で取得できるデータ
創業者の数字は入力値です。あなた自身の確認が証拠になります。確認は三種類を予算に入れてください。
第一に、二、三社への顧客リファレンス・コールです。一社は創業者が選んだ顧客、もう一社はあなたが独自に見つけた顧客にします。以前に何を使っていたか、それにいくら払っていたか、ほかに何を比較したかを聞いてください。相手が自発的に挙げる競合の名前は、称賛の言葉より重要です。
第二に、公開データの確認です。求人情報は、企業が何を採用しようとしているかを示します。SDRのポジションが五件開いていてマーケティングの採用がない場合、それは販売の型について何かを語っています。トラフィック推計、レビューサイトの件数、料金ページの変更も、外側から同じことを示します。
第三に、データベースとの照合です。PitchBookなどの非公開市場データベースから、対象企業と同規模の比較対象二社を引き出し、同じステージの企業がどう成長したかを確認してください。比較は文脈としてのみ扱ってください。初期段階のデータでは比較対象が少なく、古いことも多いためです。
メモ内のすべての主張には印を付けてください。「創業者の報告」「顧客ヒアリングで確認」「データで確認」のいずれかです。印を付けるのに30秒しかかからず、パートナーがそのページを読む際の印象を大きく変えます。
実例:25分で7行を埋める
架空のシード段階ワークフローツールで、最初の記入がどう見えるかを示します。数字は説明のために創作したもので、実在の案件ではありません。
購入者は、従業員100名の物流企業の業務責任者で、きっかけは配送監査での指摘です。創業者によると販売の型はインサイドセールスです。しかしCRMのエクスポートでは、直近10社のうち7社が二つのパートナー紹介によるものでした。つまり主な型は実際にはパートナー経由です。この一点で、計画全体が書き換わります。
価格は年額$18,000と報告されており、営業サイクルは21日から95日の間です。CAC回収期間は9か月と報告されていますが、営業の人件費が除外されているため、メモには「報告値、算出方法は不明」と記録します。競合は既存ERPの機能と、共有されたスプレッドシートです。今後12か月の賭けは二つあります。三社目のパートナー紹介と、最初のアウトバウンド担当者の採用です。
判定は「脆弱」です。需要は本物ですが、二つのパートナーに依存しています。メモには、判定を「妥当」に変えうる確認事項を一つ書きます。最大のパートナーとの話し合いです。これがセクションのすべてで、一ページに収まります。
書き留めておくべきレッドフラグ
よくあるパターンがいくつかあります。どれ一つで案件が終わるわけではありませんが、短いリストにしておく価値はあります。
すべての顧客が創業者個人の人脈経由で、チームのほかの誰も案件を成約させたことがない。
デッキは市場規模(TAM)を示すが、最初の100社の購入者を一社も挙げていない。
CACは示されるが回収期間がない、あるいは回収期間はあるが算出方法がない。
営業サイクルが「短い」と書かれているだけで、日数が示されていない。
計画には、ラウンドの資金では最初の9か月間まかなえない採用が必要になっている。
各フラグは、出典と確信度とともに書き留めてください。「営業は創業者のみ(CRMエクスポートによる、確信度:高)」は使える記述です。「創業者への依存がありそうだ」は使えません。
テンプレートを業務フローに組み込む
ドライブの中に置かれたテンプレートは、いずれ忘れられます。案件がすでに存在する場所に置いてください。多くの小規模ファンドは、七行をプロパティとして持つNotionのページでメモを管理し、どの案件もひと目で比較できるようにしています。
Affinityでパイプラインを運用しているファンドは、メモを案件に添付し、「検証済み」か「報告値」かの印をフィールドとして記録することが多いです。
重要なのは、CRMとメモの間で再入力が発生しないことです。アナリストが数字を手で写しているなら、週に三件目の案件あたりでテンプレートは飛ばされるようになります。
ファンドが持分の所有状況も追跡しているなら、キャップテーブルのCartaのデータは「今後12か月」の行に入れてください。希薄化によって、そのラウンドが何を資金で賄えるかが変わるからです。

このテンプレートでできないこと
市場が十分な大きさかどうかは、このテンプレートでは判断できません。それは独自の出典を持つ、別のセクションの仕事です。
創業者を格付けすることもできません。プレシードでGTMセクションが弱いのは、若い企業であることの表れであって、チームが弱いことの証拠とは限りません。メモにもそう書くべきです。
また、埋めるには判断が必要です。テンプレートは白紙から始める負担を減らしますが、顧客との会話に取って代わるものではありません。確信より先に網羅を。案件について感覚を持つ前に、七行すべてを埋めてください。
小規模ファンドでの展開方法
まず、すでにデューデリジェンス中の案件一件から始めてください。七行を遡って埋め、どの行を裏付けられなかったかを見てください。その空白のリストが、次の案件受付での標準的な質問集になります。
五件の案件を終えたら、セクションを並べて比べてください。どの案件でも「不明」と書かれる行は、受付フォームで創業者に最初から尋ねるべき質問です。それによって、作業がアナリストの火曜日から、創業者の申請時点へ移ります。
その後、パートナーと三つの判定ラベルについて合意してください。「妥当」「脆弱」「未検証」です。それぞれを一文で定義し、同じ事実に対して二人のアナリストが同じラベルに到達できるようにしてください。
七行のセクションが完全なメモ案の中でどう読めるかを見たいですか。Accorataでブリーフィングを予約してください。実在の案件を一件使って、一緒に確認します。